2010/03/31

NPOをわかりやすく

最近、社会起業家やソーシャルビジネスといった言葉をよく見かけるようになった。

僕が「社会起業」という言葉を知ったのは、Room to Readジョン・ウッドが書いた「マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった」を読んだことがきっかけである。

(原題はLeaving Microsoft to Change the World: An Entrepreneur's Odyssey to Educate the World's Children


今から3年前の話である。
その当時、電車で移動中に読んで、涙をこらえた記憶がある。

ちなみに当時のレビューには

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電車の中で感動して泣きそうになりました。
いや、そういうキャラじゃないんですけど。

マイクロソフトを辞めて、社会を変える道を選んだジョン・ウッドの話。

ビジネスマンとしてのスキルや意志の強さだけでなく、
誰も出来なかったことをやる勇気や回りを巻き込む力。
こういう人が真のリーダーなんだと思った。

これは絶対読んで欲しい本のうちの一つです。
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と書いてあった。なんとも恥ずかしいコメントである。

それから意識的に、そういった人の話を聞いたり調べたり、本を読んだりした。

いろいろ調べてわかったきたこと。

0、そもそも社会起業(ソーシャルビジネス)は法人形態に依らない
1、日本のNPOと海外のそれは何かが違う。
2、非営利組織には、NPOやNGOがあるが、本質的にあまり変わらない。
3、日本のNPOが抱える問題は、間違った認識と人材不足に起因している。

というか、自分のなかでの仮説である。

そういった問題意識を持ち、「NPOの経営 資金調達から運営まで」という本を読んでいたら、
わかりやすい図解があったので、スライドを作成してみた。

社会起業やソーシャルビジネスの説明ではないが、ヒントになる部分があるかと思います。

NPOをボランティア団体と思っていたり、よくわからないという人に見てもらえれば幸いです。


まず、非営利組織の位置づけについて。
営利性と公益性のマトリクス図によって、表されている。



次に、NPOの資金調達について。自由度と効率の観点から、調達先を位置づけている。
日本において、NPOの信用度は営利法人のそれに比べて低いため、融資を受けにくいという現状がある。



最後に、ボランティアと(プロフェッショナルな)NPOの違いについて。
正直なところ、この理想を達成しているNPOは日本に少ないと思われる。
現状として、左記のボランティアグループがNPO法人格を取っただけということが多い。
もちろん、それは構わないのだが、右記のプロフェッショナルなNPOと一緒にされてしまうことは些か問題である。

興味がある方、詳しいことを知りたい方は下記を読んでみることをオススメします。
※僕は図書館で借りたので、手元にはないです・・・

2010/03/29

過疎地域は日本の縮図である

地方では、過疎化や少子高齢化が問題になっている。
特に限界集落と呼ばれるところは地域社会(共同体)の維持すら厳しい。
そもそも何が問題なのかと考えると、人口減少している地域の社会設計が最大時の人口に基づいて考えられているからではないだろうか。

例えば、人口1万人の町があり、それに応じた地域社会がつくられる。行政や産業などを含めた。
それがなんらかの理由により、人口が半分になったとする。
そうなると、行政や産業の一人当たりのコストが二倍になる(あくまでモデル計算として)
企業であれば、商圏人口が半分になれば、持続不可能となり、撤退(廃業)するところもあるだろう。
しかし、自治体などは職員を半分解雇!などできるはずもない。
インフラコストも同じである。

ヒトのためにつくられた社会を維持するためにヒトが必要になっている。
なんとも奇妙な状況である。

過疎化は、地方都市への人口移動によって解決できる。
道州レベルや県レベルで、地方の中核都市をつくり、そこに人口を集中させる。
しかし、それではその土地の文化や伝統工芸、第一次産業などを失ってしまう。
ただ現状のまま行けば、それらはどちらにしろ無くなっていくだろう。では、どうすべきか?
過疎地域を最低限、持続可能な経済規模(人口)にする。人口動態の設計が重要になってくる。

実際に過疎地域に行ってみて考えたところ、若い世代が過疎地域に住む上でのボトルネックは、仕事がない、教育環境が整っていない、が大きな要因だと感じた。
仕事に関して、主な産業である農・漁・林業の高付加価値化や新しい産業である観光・サービス産業の創出が必要だといえる。
また若い世代が子どもを育てる際、教育環境は大事になる。簡単に言えば、学力向上のための教育サービスがあるかどうかである。

まず、公教育である学校について。クラスどころか全校で数十人レベル。
そうなると、子どもにライバルがいない、教員が多学年を担当するためカバーしきれないという状況になる。
次に、民間の学習塾などについて。人口が少なすぎてビジネスとして成立しない。
第一次産業の家庭は教育支出が少ないため、顧客獲得が難しい。
一方で、教育意識の高い親は子どもを他地域に進学させ、少子化が加速される。
【参考】:親の年収が進学率に影響、教育格差拡がる。人づくりは社会全体で取り組むべき課題


教育に関して、第三の教育が必要なのかもしれないと感じる。公でも民でもなく。
顧客(子どもと親)にとって、ローコストで、少人数を対象に、必要な教育を提供するシステム。
ふと思ったのは、Teach For America のようなカタチが適切なのかもしれない。
【参考】:いつか、すべての子供たちに――「ティーチ・フォー・アメリカ」とそこで私が学んだこと

また、日本の成功事例で言えば、大分県高田市の”学びの21世紀塾”が参考になる。
【参考】:「ガイアの夜明け」 2月23日放送 第405回 攻防!教育マネー~“格差時代”を生き抜く~

ただ、田舎暮らしは再考され、価値が見出だされつつある。
家は田舎で、仕事は都市という職住分離型の生活である。
しかし、その生活をするには、その都市と田舎のインフラが整っていることが必要である。
ヨーロッパでは、格安飛行機(LCC)を通勤に使い、パリで働き、ど田舎に家を持ち、子どもを育てるというライフスタイルがあるそうだ。月曜出勤、金曜帰宅であったり。(テレビの格安ジェット特集で見た)
【参考】:地域活性化に向けた地方空港の現状とLCCの必要性について(PDF)

戻って過疎化について考える。過疎になると、医療、消防、警察などの公的サービスが必要時に提供されない可能性が高くなってくる。また、中山間地域などは道路幅など制限があるため、余計にサービスを悪化させる。緊急時などは人命に関わってくるので、非常に問題である。

しかし、過疎地の自治体には資金余力がない。さらに資金の使い方も疑問符がつく。公的サービスを維持すると、借金漬けになってしまう。なので、とりあえず合併するという動きが生まれる。
行政と住民が揉める原発や産廃処理場を受け入れは、過疎地にとっては苦肉の策なのだとつくづく感じる。

と色々と考えてきたが、日本の大部分は田舎で、さらに過疎地域なんて数えられないほどある。
どの地域も地域ブランディングして、グリーンツーリズムで活性化!なんてのは無理なわけである。
やはり歴史を閉じる地域が出てくると思う。

では、どうするんだ?という訳で、過疎地域を生かすには、人が絶対に必要。
子どもを増やすか、移民を連れてくるか、人口過剰地域の人口を分散させるか。
こうなってくると、過疎地域をどうするかという問いは、日本をどうするかに等しいテーマだと気づく。

国をどうデザインするか。
ひとつは子どもを生み、育てやすい社会にするということがあげられる。
日本全体で見た場合、出生率は下がっているが、個別に見れば高い地域もある。
その要因を見ていくことが、子育てしやすい社会へのヒントとなるかもしれない。
【参考】:少子化対策の現状と課題 市区町村別にみた合計特殊出生率

2010/03/15

敏腕セールスマン という能力診断

敏腕セールスマンという診断がおもしろかったので、載せてみる。


こういうテストは毎度のことながら、当たっているような当たっていないような。

◆これぞ「天才」

ほっしーさんは「天才」です。安易に使いたくない言葉ですが「天才」です。それは勉強ができるとかIQが高いとかではありません。彼には人並み以上のしっかりした思考力が備わっていますが、彼が天才たる所以は、そこに「インスピレーション」の力を併せ持っていることです。それは、人から教わって伸ばすことのできない能力。ひらめき、創造力、ゼロをイチにする力、存在しなかったやり方や考え方を生み出す力。しかも興味関心は自分の内面ではなく外の世界に向けられるため、「発見」「発明」を連発する力を持っています。例えば発明家、企画開発関連の業務全般、人材発掘、起業、イベント等の企画…創作することでならば何でも才能を発揮できるでしょう。

◆不安定?

多くの場合、このようにインスピレーションが発達した人間は、夢想的になるなどして現実社会に適応できないことが多いようです。ほっしーさんも一歩間違えば、ただの変人として社会に埋もれてしまう可能性も否定できません。しかし彼が優れているのは、その不安定な「ひらめき」の力を、安定した「思考」で補うことで、バランスを保って生きることができるということです。いわば細かくヒットを刻みながらホームランが出るのを待てる、大変パフォーマンスの良い人材なのです。私が彼の未来に太鼓判を押します。ぜひみなさんには、彼の未来を大いに買っていただきたいと思うのです!

◆太陽のような男

恋愛という視点で言えば、ほっしーさんは頼れるイイ男です。ノリもよくて雰囲気も明るく、しっかりしており、そのあたりは男として申し分ありません。また、あまりナヨナヨしたところがなく弱味を見せないところは男性的であり、性的魅力(セクシャリティ)についても、女性から見れば好みの差こそあれ、なかなかのものを持ち得ているように思われます。寡黙さはありませんが、真っ直ぐ太陽のような男だと言わせていただきたいと思います!

◆情緒を解さない

しかし女性陣から見れば、不満も多々あることでしょう。人の気持ちが分からないだけでなく情緒を解さないところ、飽きると冷たいところ、自惚れやすくノリはいいが深みの足りないところ、自分が一番偉いと思っているところ、女に対して「面倒くさい」と思っているところ…。しかし安心してください。彼に深みや貫禄や人間味が出てくるのは、これからです。口で語らずともオーラで語る、そんな男になるのはこれからですので、どうぞご安心ください。

◆能力型
「奇抜思考」タイプ

インスピレーションが鋭く常軌を逸した考え方を持っている。また思考力を伴い、不安定さを補う。人付き合いは得意。感覚的には鈍く、デザイン等のセンスには欠ける。

◆才能を発揮しやすい職業

経営者、商品等の企画開発、研究職、政治家

◆才能を発揮しづらい職業

デザイナー全般、歌手俳優等ショービジネス、料理人

◆うまくハマればズバ抜けた能力を発揮しそうな職業

棋士、(身体的に優れる場合)球技の選手

◆恋愛における長所

・リードするタイプ
・一緒にいると楽しい
・考えが深い
・しっかりしている

◆恋愛における短所

・女の気持ちが分からない
・彼女にすぐ飽きる
・プライドが高い
・途中から極端に冷たくなる

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2010/03/01

独り言

政治家という仕事、職業、生き方。
それを色々と考えさせられた。


誤解を恐れずに言えば、未熟ながら、僕も政治に触れる機会があり、少し憧れを抱いている。

それは表面的なものではなくて、中身として。


現職の国会議員の話を聞いて、様々なことを感じた。

例えば、メディアでは2000万の給料をもらって、グリーン車乗り放題で、
と聞くが、実際に家庭にいくらのお金を落とせるかを聞いて愕然とする。

もちろん、政治家になるのに金を求めてなるのか!って考え方も一理あるけど、やっぱり生きていくのに経済性は必要。

そして、落選してしまえば、ただの人だということ。
これは想像を絶するリスキーさ。

ある日を境に無職になる。
ほとんどの人が家族を抱えているにも関わらず。


最後に、いわゆる"若者"の声がまったく届いていないことに驚いた。

驚愕と言った方が適切かもしれない。


今日、勉強会に来ていただいた議員である稲富さんは、一年生議員で39歳である。
つまり、若い。

でも、彼の集会や講演会に参加する人はほぼ全てが年上だという。

若者の声は、若い議員にすら届いていない。

経済成長の議論をするのは大事だ。
外需か、内需か。
次世代の産業は何か?
人口減少、少子化にどう対応するか?

とても大事だ。

でも、それを話しているおっさんたちの軸は1つでしかない。

経済的豊かさという軸だけ。

どう考えても、今の若い世代とは食い違っている。

僕らは、幼い頃にバブルが崩壊し、右肩上がりの経済成長なんて本でしか感じない。

エリートと呼ばれた大学のやつが毒ガスをばら蒔き、地震が街を破壊し、飛行機がタワーに突っ込んだ。
首相はコロコロ変わる。


そんな中で、未来って素敵だとか、夢を持つことの大切さなんて語られても、何もリアリティを感じない。
これから経済成長だ!って言われて響くのだろうか。


そんな中で、みんなが心のどこかで社会に貢献したい、変えたいと思っている。


若い世代は、金に価値を感じていない。
モノにも感じていない。
金もモノも大事だけど、自分やそのつながりを大事にしている。
個々の差はあれ、それは社会だ。

別にお金や経済性を軽視しているわけではない。

優先順位やバランスの問題だ。

世の中と自分がどう関わればいいかを悩んでいる。

「社会性」と「経済性」の狭間で。


そんな気持ちは一ミリだって、届いていない。

それは若者側にも原因がある。

政治って難しいこと。
自分とは関係のない遠いこと。
一票じゃ何も変わらない。

一理ある。
ある面で、それは正しい。

だけど、「そう思う」だけで、実際に動かないと、本当に何も変わらない。

声すら届いていない。

成長は理想への過程だ。

でも、現状は何も理解されていない。

物差しが違う。

ある意味正しくて、ある意味間違っている。


半分半分なのだろう。

もっとベターな答えがある。


自分や自分の周りに、影響が出る一歩手前まで来ている。

本当に、茹でガエル状態だ。


ビーカーに温いお湯に入れて、カエルを入れる。
ビーカーをゆっくり熱していくと、カエルは逃げることなく、茹で上がって死ぬ。


もう半分茹で上がっている。

こんな悶々とした想いを持ちながら、話を聞いていた。
普段だったら、喋ってしまう。
言えば良いのに。と思う自分がいて、言わない自分がいる。


珍しく黙っていた。


勝手に手がワインボトルとグラスに届いていた。


喉の渇きと、耐えられない時間が飲む量に比例する。

自分がちっぽけな存在で、世の中が広くて、問題は山積みで。

でも、知ったから、考えたから、感じたから、何かしないといけないんだろう。

そう思った。

政治や国が何かをしてくれる訳じゃない。
逆に、政治や国が過剰に何かをすべきではない。
過度に何かをすれば、短期的な依存をうみ、それが破綻につながる。
しないことを正しく示さなきゃならない。


それでも、政治家にはやるべきことがあるし、
それ以上に1人1人のやるべきことがある。

ランサー