2012/02/01

ユーザーとして感じたLOCONDO( @LOCONDO_jp)の体験デザイン

LOCONDO(ロコンド)というサイトで靴を買いました。
この購入体験が面白く、よく考えられていると思ったので書いてみます。

LOCONDOは靴のECサイトである。
特徴として
・日本最大級の品揃え
・送料無料
・99日間返品無料
の3つが大きく取り上げられている。

詳しくは、この記事なんかを見るとよくわかります。
「ネットで靴は売れない」に挑む ロコンドの徹底的顧客中心主義【秋里英寿】

とりあえず、いちユーザーとして興奮したので、早く伝えたいと思います。


①おしゃれな箱が届く。

②開けるとロゴが!
(よく見ると、QRコードや「OPEN」と描いてある)

③さらにあけると、なんと「返品ガイド」が置いてある。

④左側には、段ボールのふたが「シューマット」になっているとの説明。

⑤右側には、「シューマット」の具体的な使い方がビジュアルで描いてある。

⑥商品の上には、返品用の用紙。

⑦そして、商品。

⑧そして、履く。
⑨ー1.合わない場合は返品。
⑨ー2.合う場合はそのまま。

⑩とりあえずシューマットに載せる。
おまけ:段ボールの組み立てで見えなくなる部分に「THANK YOU!」が。


まとめると、
「ユーザーに商品が届いてから履くまでの体験が見事にデザインされている」
と思ったのです。


実は、僕は去年の春に一度LOCONDOで靴を買ったことがあります。
夏に向けて、ビルケンシュトックのサンダルが欲しかった僕は
ツイッターで
ビルケンシュトックのサンダル欲しいなー。鹿児島でどこかに売ってるかな?」
とつぶやきました。

そこにたまたま、LOCONDO創業者メンバーの一人である@TomoYasudaさんからRTが来ました。
そのツイートがキッカケで、ビルケンのサンダルを買ってみたのです。
その時はサイズが合わなくて、返金は大丈夫かな?と思いながらも返品。
もちろん、ちゃんと返金されていました。

今考えると、この時の「購入体験」と「返品体験」によって、僕のなかに
「LOCONDOは信頼できるし、便利だし、箱がおしゃれ」
というイメージが生まれていたのだと思います。

そして、今回僕は革靴を探していました。
が、鹿児島でどこに売っているのやらわからず困っていたのです。
(僕はIターン2年目で土地勘がない)

そのとき、たまたまメールボックスに届いていたLOCONDOのメールを見ました。
ファイナルセールらしいので見てみたら、革靴がかなり安い様子。

しかし、ここでちょっと迷いが生まれるのです。

「安くても、ダサイor安っぽいつくりだったら、どうしよう」
「(自分の)足の甲が高いから、(いつも履いている)表記のサイズでも合わない可能性がある」

靴は足の形と合うかどうかがかなり大事で、
どうしても実際に履いてみて確かめないと良いかどうかわかりません。

なので、「ECでは靴を売りにくい」という常識があったのだと思います。
そんなユーザーの心理に対して「99日間返品無料」というサービスが心理的なハードルを少し下げてくれます。
ただ、「そんなに返品が簡単で大丈夫なのか」と普通は思います。
ロジスティックスは大変でしょうね。返品があるから在庫は変動しやすいだろうし、
返金があるのでキャッシュフローも難しそう。僕にはちょっと予測がつかないです。

ただ、マーケティングとしては、この返品可能は凄く効果的だと思います。
僕の例で行くと、一度目の購入は売上につながっていませんが、その体験がきっかけで
二度目の購入に至っています。一度目のコストは二度目の購入に活きていると言えるでしょう。
結果的に、返報性の原理が働いているのだと思います。

この売り方は
「心理的ハードルが下がり買った人の金額+返品したがリピートで買った人の金額>返品可能でかかったコスト」
で成り立つのだと推測できます。

「販売促進としての返品可能」と、「長期的な顧客獲得コストとしての返品コスト」
を両立させているのだと思います。


僕は高校生の時から、インターネットで買い物をしており、靴を買った事が何度もあります。
しかし、そのとき、自分が履いているブランドと同じブランドで買っていました。
ブランド内でだいたいサイズは共通だからです。
しかし、今回はまったく知らないブランドの靴でした。

実際の店舗では、気軽に色々と試し履きはできません。
しかし、オンラインで注文し、返品OKであれば、何足でも試し履きが出来ます。
実はLOCONDOは新しい靴との出会いを生み出しているのかもしれません。

昨日、「ロコンドで靴を買った」とつぶやいたら、
わずか4分後に公式アカウントからお礼のRTが来ました。

前述したメールマガジンやソーシャルメディアの活用により、
ユーザーとのコンタクトポイントをしっかり活かしているのだと思いました。
直接対面しなくても、ホスピタリティを感じることができる。

サイトのインターフェースから、細かいツイートの対応まで
ユーザーの“体験”をベースに、コミュニケーションをデザインしているのかなと感じました。
LOCONDO、凄い会社です。ファンになりました。


最後に、LOCONDOの去年の母の日キャンペーンがほっこりしたので紹介します。

5月の母の日商戦では、“母の日に靴”という新しい提案とともに「5足贈ろうキャンペーン」を実施。母親が似合いそうな靴を5足贈って、そのうち1足を選んで残りは返品してもらうという企画だが、中には1足に絞り切れずに複数点を購入するケースもあったようだ。

ランサー