2014/01/26

広告は無視するし、スマホは使いすぎる

最近、行動観察にハマっています。というのも、昔からよく人が何をしているか、何を身につけているか、何を見ているかといった事を観察しているのですが、この頃そういう視点を持たずボーッとしてるなと思い、キョロキョロ見ています。

そこで一つ気になったのが、スマートフォンの"存在感"です。今では普及率が25〜30%程度と言われています。大学で講義する際も手をあげてもらうと、過半数がスマホを持っています。年代分けしたら、若年層に寄ってるかもしれませんね。日本においては、キャリアと契約して、「携帯電話」を使います。パカパカケータイ、ガラケー、フィーチャーフォンといった前の「携帯」からスマホに移る訳です。ツールとしてのスマホ。ただ、ビジネスサイドから見ると、スマホはメディアになります。ガラケーでも変わりませんが、出来る事が広がっている(画面が大きいのいうのが一番かも)

福岡市内には、バスシェルターというものがあります。バス停がおしゃれに囲ってあるんです。
MCDecaux(エムシードゥーコー)という三菱商事とフランスの屋外広告会社 JCDecauxの合弁会社。
http://www.mcdecaux.co.jp
そのシェルターに大きな広告板があります。OOHの一種です。
http://www.mcdecaux.co.jp/cityscape/

このOOHに巨大なポスターがスクロールされて、一定時間見る事ができます。
けっこうお洒落だし、見ていて面白いものが多いんですね。ところが、よく見て見るとバスを待つ人々はそんなの一切見てないんです。自分のスマホを覗き込んで、スワイプしている。これは電車やバスの中でも同じ。みんなスマホを見ている。吊り広告とか一切見てない。認識すらしてないんじゃないかというほど。操作しながら歩いている人も結構いるし、これ危ないよね。ACのCMでも危ないって言ってた。おそらくOOHみたいなメディアは認知が目的で、場所であれば利用者数がどれくらいいるかがメディア指標になると思う。もちろん、広告内容を見るとナショナルクライアント(特に飲食系)が多いから、クロスメディアで色んなところに出しているとは思う。単純な[利用者数=見る人]ではなく、[利用者数×認識する率]みたいなものが正確な指標になるのだろう。

あれ?認識してなくない?と強く思う訳です。それは場所の問題もあるかもしれないけど、“広告”と識別されると人はそれを無視するような行動をとるようになっているんだと思う。僕みたいな物好きは「これおもろいなー」とまじまじ見たりするけど、みんな忙しいし興味ないから認識する前段階で「もういいや」ってなっている。推測だが、広告掲載領域をさけているのだと思う。テレビをみていて、CMだからトイレいこう!みたいな感じ。広告やプロモーションをしていると大変だろうなとしみじみ思ったのです。どんな仕事でもその要素はあるので想いは近いかもしれないけど。

スマホが生活に密着して凄いという部分もあるし、旧来的な広告が通用しないということがあるかと思います。そして、ビジネスマンとして普通に考えると、スマホへの広告シフトしておくべきだ!となる。ターゲットが見ているメディアにきちんと出稿し、検索するであろうワードにリスティングかけておこうと。

もちろんそれは凄く真っ当で正しい。けど、スマホにそこまで中毒状態になって大丈夫?という一つの見方もあります。ソフトを直接触る事ができる身体性もそうだし、中に入っているアプリケーションを通じて色んなコミュニケーションが取れる。ツールを使いこなすことは良いけど、ツール依存はちょっと違うお話。自覚して、コントロールしないと意味がない。

テキストでやり取りするのではなく、直接会って話す。
綺麗な写真をおさめるのではなく、風景と時間をたのしむ。
ユーザーとしては、そういうスタンスが大事なんじゃないかと思うのです。

とは言え、これはメディアとして有効だからガンガンいくべきだ!と思う自分もいて、矛盾してんなと。そんな感じで終わります。

ランサー