先週末、藤原和博さんがゲストの「つなげる力」~学校と地域の懸け橋へ~に参加した。
プレゼンのうまさ、特に聴衆の巻き込み方に感動しつつも、
教育問題の本質を鋭く捉えた内容だった。
綺麗にまとまっていないものの、その講演のメモを綴ってみる。
講演会場にて、購入した35歳の教科書―今から始める戦略的人生計画
も良かった。また別途で紹介したい。
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「出来る子を伸ばして、ミニ先生にする」
→吹きこぼれ対策。
文科省や教育委員会は現場に任せたいが、校長が動かないので現場が変わらない。
校長には人事も予算も権限はないが、教育課程の編成権を持っている。
和田中では点の改革を、大阪府では面の改革を行った。
さらに他地域に広げ、立体の改革を行う。
東京では和田中の真似をする学校は一つもなかった。
変なプライドがあるのだろう。
そんなプライドは今すぐ捨ててほしい。何のためのプライドなのか?
僕は、目の前にいる子どもが
「わからないことをわかるように」
「出来ないことを出来るように」したい。
そのためには手段を選ばない。
塾であろうが、地域であろうが、使えるものは何でも使う。
今の小中学校は鎖国状態。
江戸幕府が鎖国していて、どうなったか皆さん知ってますよね?
学校は解放しなければならない。
学校で起きている問題の原因は、家庭や地域にある。
それらが一番弱い学校で吹き出ている。先生だけでは解決できない。
皆で先生を助けて、豊かな授業を実現しましょう。
子どもの多様化が進んでいて、教材での対応が無理になった。
昔は、出来る子、普通の子、出来ない子の三パターンで対応できた。
今は、算数が出来ない子だけで五パターンあり、先生が生徒を見きれなくなった。
問題なのは算数。最小公倍数と最大公約数の概念が弱い子どもが多い。
■驚愕の事実
1500円の三割引はいくらか?という問いに、47%の中学生が間違えた。
高校生になれば少し改善するが、二割程度は間違える。
彼らはコンビニで買い物する時に暗算ができない。
学力低下は、「社会で生きる力」にまで影響してきている。
算数が出来ない子の家庭は離婚問題を抱えている事が多い。
3、4人に1人が家庭に離婚問題あり。
算数は静かな環境で集中しないと出来ない教科なので、家庭がうるさいと成績に出る。
20世紀の成長社会では情報処理力が求められた。
21世紀の成熟社会では情報編集力が求められる。
よのなか科は
「正解が一つじゃない」テーマで、
「子ども(義務教育)と大人(生涯教育)が一緒に学ぶ」。
子ども達は、”大人がどう学ぶか”を見て、”大人がなぜ大人なのか”を知る。
子どもは「教えている大人」から学んでいない。
「学んでいる大人」から学ぶ。だから、学ぶ姿を見せる。
母親は子どもが帰宅する頃合いを見て、ウソでもいいから本を読む。
そうすると、子どもはそれを真似て、本を自ら読み出す。
■中高生がいるお父さん方、必読の魔法
反抗期の息子に本を読ませる方法。
「この本が良いから、読みなさい」と言っても、息子は反抗して絶対に読まない。
出来るだけ厚い本を”途中で断念したふり”をして、
「お父さんには難しすぎた」といって置いておく。
父を超えたい息子は勝手に読み出す。
あらゆる息子は父の弱みを知り、勝ちたい。
■思いやりの育て方
子どもにブレストを体験させる
→ くだらないアイデアが他者のアイデアと合わさり、素晴らしいアイデアになる瞬間を経験
→ 子どもは他人の意見が大事だと知る → 他人の話を聞くようになる。
「思いやりを持ちなさい」と抽象的な言葉を連呼するより、遥かに効果がある。
■学力と不良の関係
算数がわからないまま、小学校を卒業する → 中学校の数学がまったくわからない
→ わからないことを1時間も聞くのが苦痛になる → 保健室に逃げる
→ 同じような仲間がたまる → 保健室を追い出される → 隠れてたむろする
→ 学校に行かなくなりコンビニなどにたむろする → 悪い先輩とつるむ → 軽犯罪に手を染める
■プレゼンのメモ
プレゼンはリード(つかみ)が大事。
オーディエンスへの問いかけと挙手&拍手形式のアンケートから、
冗談を交えたクイズで一気に距離を縮めて、自分の世界に引き込む。
プレゼンの緩急とトーンを変えて、自分のペースに聴衆をノせる。
アイスブレイク型リード。文節でしっかり区切ってメリハリをつけて話す。
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雑記になりましたが、メモは以上です。
藤原さんの講演には一度行くべきだと思います。
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