2012/04/24

起業体験プログラム① 主体的に決める経験

一昨年、昨年の2年間、ある高校と協働させていただき、学校内で起業体験プログラムを実施した。
一言で言うと、文化祭の模擬店を株式会社のしくみを使って行うという内容である。

実は、こういった取り組みは日本のいくつかの地域で行われている。
公益社団、商工会議所、企業が経営する学校など色んなパターンがある。

運営を考えると、販売体験に絞ったり、最初の使えるお金を固定したりすると
プログラムはスムーズにいきやすい。

ただ、それでは面白くない。
というか、できるだけ忠実に再現してみたい。
その方が生徒はよりリアルな社会を体験できるはず。
仕組まれた学びよりも、偶然の経験の方が価値があるかもしれない。

そう思い、プログラムは縛りをできるだけ減らした。
「どんな商売をするか」
「いくら資金を調達するか」
「何にいくら使うか」
「株主への配当はどれくらいにするか」
「商品ラインナップはどうするか」
「商品の材料はどこから調達するか」
「社員への給料はどうやって計算するか」
などなど。

ほとんど自分たちで考えて決定するようなプログラムにした。
つまり、答えを教えてなかった。

ただし、答えを出すための方程式を教えるようにした。
例えば、来客数の予測。
いわゆるAIDMA的な考え方もあるし、
去年の売上を平均単価で割って推測するとか。
(※説明は噛み砕いてます)

まぁ、飲み込みの早いこと。
高校生の学習能力というか、学習スピードの速さ。
学生時代、勉強会サークルの代表をしていた僕は
入ってきたばかりの大学1年生が「どうやったら意見を言えるようになるか」
をよく考えて、彼らの成長をどうサポートするかを試行錯誤していました。

その記憶と照らし合わせると、
高校1、2年生の吸収力に驚くばかり。
純粋にその場にいることが楽しいし、面白かった。

一番嬉しいのは、彼彼女らが「自分で考え、決める」ようになること。
もともと考えているのですが、決める事ができないのが最初の印象でした。
正確に言えば、「思う」ことはあれど「考えていない」ということかもしれません。
決めてはいるけど、主体的に選択したのではなく、周りにあわせる、消去法で選ぶなど。

しかし、このプログラムはその選択方法では早晩行き詰まるのです。
なぜかというと、自ら選択肢を作らなきゃいけないし、変な選択をすると自分たちが困るからです。

実際に彼らは困っていました。
チームで壁にぶつかり、リーダーは自分がどうすればいいのか悩んでいました。
体育祭のような明確なルールや目標もない。
受験のような点数やノウハウもない。
これは、働いている人間の多くが一度は感じたことのあることではないでしょうか。

意図せずとも、結果としてドラマが生まれる。
それはこちら側が用意したことではなく、真剣にぶつかり合い、
考えて行動する彼らの思いから生まれます。



なんとなく書き始めた記事ですが、書いていて
僕自身もちゃんと振り返らないといけないなと思いました。

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