起業についてちょっと思うことを綴ってみる。
1.「起業=会社設立ではない」という考え方
起業とは会社をつくることだけではない。
字をたどると、業を起こすと書く。
また辞書には「新しい事業を始めること」とある。
では、事業とは何か?
実は、事業には「ことわざ」という読みがあり、
「行為 しわざ 仕事 じぎょう」という意味を持つ。
古くは古今和歌集に載っていたそうだ。大変歴史のある言葉。
今、使われている「じぎょう」という読みでは、
「生産・営利など一定の目的を持って、継続的に組織・会社・商店などを経営する仕事」
「大きく社会に貢献するような仕事」
という意味を持つ。
もちろん、辞書にある意味と実際に使われる意味にはギャップがあることは言うまでもない。
しかし、事業とは社会的意義のある仕事であることを確認できたと思う。
その理想と現実を埋めることは難しいが。
社会的意義とは、個々人によって、どうとでも捉えることのできる危険な言葉である。
経済的に儲けを出し、税金を払うことも社会的に良いことだし、
社会問題を事業として解決することも社会的に良いことである。
広義と狭義にソーシャルが存在するのだろう。
社会的かどうかを決めるのは、ステークホルダーの認識によると思う。
あまりすっきりしないが、
起業とは社会的意義のある仕事を新しく始めること
だという風に考えたい。
これなら、社内起業といった言葉も説明がつくだろう。
2.業を起こすこと
さらに噛み砕くと、業を起こすとは何か?
業とはそもそも「なすことそれ自身」という意味である。
語源は古く、サンスクリット、釈迦に通じる。
例えば、生業という言葉は生きるための業である。
生きるために為すこと、それは仕事である。
そう考えると、業とは価値を生み出す事のように思える。
もっと言えば、価値を生み出す役割かもしれない。
価値とは、誰かに影響を与える事象である。
“働く”とは、傍を楽にするという語源が有力である。
周りに良い影響を与える事、これが広義の事業であり、
それを新しく起こすことを広義の起業だと考える。
つまり、学生が新しいサークルを立ち上げるのも
行政が新しいサービスを開始するのも
「起業である」と言える。
3.会社起業は2つの視点
会社起業には、2つの視点がある。
それは事業者と経営者の視点。
これは僕が日々言われていることなのだが、営利法人であれNPOであれ
スタートアップにおいて、事業を創ることが至上である。
それは“価値をつくる”という中身の面と、“価値を理解してもらう”という認識の面がある。
「それは良いサービスだ」と言ってもらっても、それにお金を出してもらわなければ意味がない。
自分のご飯を食べられないということ。持続性のないものを事業とは言わない。
持続性とは、対価をもらって事業を続けるリソースに転換し、事業をまわし続けること。
事業と顧客を同じ生態系に組み込むための接点がお金だと思う。
自分がご飯を食べる食い扶持としてのビジネス、これが事業者の視点。
そして、この事業をどう発展させるか。この事業にどんなストーリーがありえるのか。
拡大し続け、自分だけでは回らなくなった時、どうするか?
雇用し、事業を仕組みに落とし込み、組織を創り、経営していく。
それが経営者の視点である。
と、えらそうにまとめたけど、ほとんどできていないなぁと反省。
とりあえず頭の整理として文章化してみたところ。
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